トーントーンとは、スター・ウォーズシリーズに登場する架空の生き物で、氷の惑星ホスに住むトカゲ型の哺乳類です。反乱同盟軍は、ホスに基地を建設した際にトーントーンを乗り物として利用しました。
トーントーンの生態
トーントーンは、ホスの雪原に適応した生き物で、肩までの平均体高は1.3~2メートル、全身が白い毛に覆われています1。彼らは2足歩行で、鋭い鉤爪を持った後脚と小さな前脚を持ちます2。頭部はラマに似ており、両側に巻き角があります3。
トーントーンは非知覚種族で、地衣類や小さな植物を主食としています4。彼らは鋭い嗅覚で氷に埋まった菌床を見つけると鉤爪で氷を引っ掻き、剥き出しになった菌糸類を食べ始めます5。また、稀に他の小型動物を捕食することもあります6。
トーントーンは昼間は大きな群れをなし、餌場を探して雪原を走り回っています7。彼らは足が速く、最高時速90キロメートルで走ることができます8。しかし、夜間は気温がマイナス60度以下に下がるため、地上で活動することができません9。彼らは洞窟に避難し、互いに寄り添って寒さと外敵から身を守ります10。
トーントーンの天敵はワンパというヒューマノイド型の氷獣です11。ワンパは身体も大きく白い体毛によって雪原では目立たないため、その鋭い爪や牙の犠牲となるトーントーンも多いです12。平和を好むトーントーンは攻撃されても本能的に逃げてしまい、追いつめられたときや子供を守るとき以外は決して戦おうとしません13。戦いになったとき、彼らが好む方法は相手に唾を吐くことです14。トーントーンの唾は決して腐食性ではありませんが、氷点下の環境で目の近くに液体を吐き付けられることを嫌う生物は多いのです。
トーントーンの特徴
トーントーンは人間に懐きやすく忠実な動物で、容易に訓練できます。反乱同盟軍はホスに基地を建設した際にトーントーンを乗り物として利用しました。彼らは寒冷地にうまく対応できない反乱軍のパトロール艇の代わりとしても使われました。トーントーンに乗ることで、反乱軍は雪原を比較的楽に移動できるようになりました。
しかし、トーントーンにはいくつかの欠点もありました。まず、彼らは皮膚にある特殊な孔から老廃物や油脂を排出するため、強烈な悪臭を漂わせていました。この臭いは人間の乗り手の鼻を強烈に刺激し、不快感を与えました。また、トーントーンの毛に潜むシラミも飼い主たちを悩ませる存在でした。
次に、トーントーンは夜間に地上で活動することができませんでした。彼らは極寒の夜を生き延びるために新陳代謝を低下させ、洞窟の中にこもりました。しかし、洞窟は限られた場所にしかなく、またワンパの住処でもありました。そのため、反乱軍は夜間にトーントーンを使って移動することができず、基地の外に置いておくと凍死する危険がありました。
トーントーンの舞台裏
トーントーンは映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』で初登場しました。この作品では、トーントーンは実際の動物ではなく、人形や着ぐるみで表現されました。人形はラジコンで操作されたり、手で操られたりしました。着ぐるみは俳優が中に入って演じました。また、トーントーンの鳴き声はアジアゾウやライオンなどの動物の音を合成して作られました。
トーントーンのデザインは当初はカバやサイなどの動物をモチーフとしていましたが、最終的にラマやヤクなどの山岳地帯に住む動物に近づけられました。また、トーントーンの毛皮は実際にヤクの毛皮を使って作られました。しかし、ヤクの毛皮は湿気や汚れに弱く、撮影中に傷んだり臭ったりすることが多かったと言われています。
トーントーンはスター・ウォーズファンから愛されるキャラクターとなりましたが、その一方で動物愛護団体から批判されることもありました。特に問題視されたのは、映画でハン・ソロが凍死しそうなルーク・スカイウォーカーを救うためにトーントーンの腹を切り裂いて中に入れるシーンです。このシーンは残酷だとして非難されることが多く、また実際に動物を傷つけたという誤解も生まれました。しかし、このシーンでは本物の動物ではなく人形が使われており、また映画内でもトーントーンはすでに死んでいたことが示されています。このシーンは、ハン・ソロの機転と友情、そしてホスの過酷な環境を表現するために必要なものでした。